流派のかけもち
いけばなの教室に通う上で、違う流派の教室に通うこと、いわゆる流派の掛け持ちは可能なのでしょうか。結論から言うと、「禁止ではないが、推奨はされない」とされているそうです。華道家の先生からしても、別の流派を並行して学んでいると聞けばあまり良い顔はされません。いけばなは、先生ごとに教え方が違います。別の流派の教えは半端に癖が出てしまうこともありますし、先生に見抜かれることも考えられます。特に初心者であれば、正しい自分の型ができていないうちにさまざまな方法を教えられてしまうと、混乱してしまいます。また、いけばなの世界は先生同士の交流もありますので、どこかで内緒でかけもちをしていることを知られてしまうかもしれません。
他の流派をかけもちしたいということは、何かしらの理由があってのことでしょう。例えば、「花が好きで触れる回数を増やしたい」ということであれば、いけばなではなくフラワーアレンジメントを勉強できます。そもそも生け方が違うため混乱をすることもありませんし、いけばなの違う癖が残ることも少ないと言えるでしょう。同じ花を使ったものなので、色の取り合わせなど勉強になる部分もあるかもしれません。「別の流派のいけばなを見てみたい」ということであれば、展覧会や流派の垣根を越えた勉強会に参加することも効果的です。他にも茶道など、いけばなに通ずる習い事も多いでしょう。「自分がどうして別の流派のかけもちをしたいのか」をよく考え、別の方法があるのでしたら、無理に掛け持ちをしない方が無難です。それでもどうしても掛け持ちをしたいのであれば、あからさまに公言をしないなどの気遣いを持って、お互い気分が悪くならないように学んでいきましょう。