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日本の合唱界はレパートリーに恵まれている
文明開化以後、日本に西洋音楽が伝えられましたが、その当時の作曲家の多くは、特に歌曲のジャンルに力を入れていました。その傾向は20 世紀半ば以降も続き、 「西洋音楽のスタイルをもった日本語の歌」の膨大なレパートリーは、日本の近現代音楽の発展に大きく貢献したといえるでしょう。その後、ヨーロッパの新しい芸術の動きに沿う形で、 20 世紀後半の音楽のスタイルはより複雑なものへと 変化し、それまで盛んに作曲されていた「日本語の歌曲」は次第に減少へと向かっていったのです。しかし、それとほぼ時期を同じくして、アマチュア合唱団の活動 が次第に盛んになる社会的な動きと合わせるように、「日本語による合唱曲」が 数多く生み出されるようになります。現代日本に生きる私たちにとって、より身近 な言葉を用いた作品も多く書かれ、合唱音楽は私たちの生活により近しいものとし て、今日まで発展してきました。 そうした意味では、日本の合唱界は数多くの素晴らしいレパートリーに恵まれているといえるでしょう。