ボールペンのインクの種類
ボールペンの書き味、書き心地において最も重要なのは、インクの種類といえるかもしれません。
最初に発明されたのは、油性ボールペンです。
着色料を有機溶剤で溶かす油性インクは、滲みの少なさなどといった利点があります。比較的粘度が高いため、書き味が重い傾向があります。近年は、この粘度の問題を解消するために、低粘度油性インクの研究・開発が進み、市場にもすでに多くの製品が登場しています。
水性インクは着色料を水に溶かすものです。
粘度の低さが特徴で、非常に滑らかな書き味が実現されていますが、滲みやすさがあります。発色は油性に比べて鮮やかで優位にあります。有機溶剤と水との揮発・蒸発の速度の違いから、乾燥に弱く、キャップを閉めてしっかりと空気との接触を遮断する必要がありました。日本ではキャップ式でない水性ボールペンは2000年代に入ってから普及しました。
ゲル(ジェル)インクボールペンは、水性と油性の中間的な位置にあるということから、「中性ボールペン」と通称されることもあります。
開発の目論見としては、水性インクと油性インクの良いところを併せ持っているインクというものです。
ゲルインクは、水性インクにゲル化剤を混ぜ込んだものです。インク管の内部では粘度の高いゲル状ですが、ボールの表面を移動するときは「ゾル状」になります。ゾルは特徴で簡単に説明するならば、ゲルの粘度を下げたような特性の状態です。紙に接着すると、ゲル状に戻ります。なので、粘度の低さからくる水性の滲みやすさは回避されます。ただし水性と同様に感想に弱く、不使用時にはしっかりとキャップをするなどして空気を遮断しなければなりません。
エマルジョンインクはZ社による開発で、これは実際に油性インクと水性インクを混交して生成されるものです。
書きごこちは水性のように滑らか、かつ油性のような濃く強い線を引くことができます。光や水分による劣化や変色に強く、耐性が基本的に高くなっています。