歯科治療に関する誤謬
インターネットなどに掲載されている情報の中にはあまり正しくない情報というのも紛れ込んでおり、そのようなものが拡散してしまうと、国民の生活に大きな悪影響を及ぼしかねません。その例として簡単に挙げるとすれば「一口食べたら数十回か見ましょう」という類の話です。はっきり言ってしまえば、それぞれの人が何回噛めば良いのかということはそれぞれの人によって大きく異なりますし、一概に何回噛めば良いということはありません。また、食べているものの硬さ、柔らかさによっても大きく異なるので、具体的な回数を指定することはできません。テレビやインターネットなどでは、簡単にこのような誤った情報が広がってしまいがちですが、そのような時にこそ、歯科医院を頼って、専門の先生にこのような情報をテレビで見かけたが、正しいのかどうかということを、真偽を判断してもらうことが重要だと言えるでしょう。確かに自分自身でかんで物を食べるという、かむ回数は重要であるということはよく言われることで、認知症などになったとしても、このような噛むという動作が、脳への刺激になるということがよく言われるようになりました。案外関係がないというふうにも思われる方がいるかもしれませんが、物を噛むということと、肺炎の羅漢率の減少は、かなりの程度で相関性を示しており、しっかりとものを噛むことができる高齢者は、誤嚥性肺炎のような恐ろしい病気にもかかることが少ないということがデータとして示されているようです。口から物を食べられなくなってしまうと、胃に直接栄養を届けるという形をとることも多いわけですが、そうなってしまうと脳が弱ってしまうということにもつながりかねないと覚えておくといいでしょう。