断熱　換気

断熱と換気は、健康的で快適な生活には欠かせません。また家計にも大きく影響をもたらします。寒さ暑さや湿気から身や建物を守るだけではなく、ガスや電気等のコストダウンにもつながり、環境に優しい暮らしを創出します。「断熱」には高性能な断熱材を用いますが、その効果を効率よく生むためには建物自体の気密性が重要になります。広めの家では気密性を保つことがより難しいと云えます。断熱材が行き届いていない部分があれば、そこから熱も出入りしてしまいます。空調の非効率で電気代がかかり、省エネとはいえません。地球環境を考えても高気密が必要になってきており、新築を建てる際には高断熱と高気密住宅に対する税制優遇措置もとられています。気密性が高いと息苦しさを感じという意見もあります。外に開かれた風通しの良い自然と融和した古い日本家屋は夏向きのしつらえといえ、気密性が高く鉄筋の西洋建築は冬向けといえます。窓を取り付ける位置などによって工夫して、風通しの良さと気密性のバランスを保つ必要があるでしょう。自然環境を守ることと、自然と融合することが相反する形をつくってしまうという、現代の歪みを表している現象だともいえます。近年ではこうして建物の気密性が高まっているため、自然な換気は逆に難しくなっています。ですから、換気設備を充実させなければ、汚れた空気がたまってしまいます。24時間換気システムなども用いられています。建築資材から出る有害物質、接着剤によるアレルギー、シックハウス症候群や、冬場に結露を産み出す原因となります。結露によるカビや腐食が体内や建物に与える影響が大きいといえます。

新たな生活、新たな健康のためには、新しい技術を用いつつ、気候、自然環境も活かしながら、バランスを実現させなければならないと考えられるようになってきました。